結婚と投資は同じ? ジム・ロジャーズ「28歳まで結婚をすべきではない」
ご覧になった方もいるかもしれないが、著名な投資家のジム・ロジャーズ氏によるコメント。”28歳”と言うはあくまでも例えであるはずなので、そのあたりに目くじらを立てることはナンセンスだとは思うが、おおむね私は同意する内容だったので転籍させていただく。
よく言う「結婚はギャンブルだ」と言うことも含んでいるのかもしれないが、とにかく、
「自立した相手との結婚」
と言う部分については、反論する人は少ないのではないかと想像する。かく言う私が、
「人生で唯一大後悔していること、それは、『職歴のない人間と結婚したこと』」
でもある。ひやかしでも相手方を馬鹿にしているわけでもなく、社会に出ていないと言うことは、人生の経験が社会に出ている人に比べて圧倒的に少ない、と断言する。別の機会に、また私の仕事感を書きたいと思うが、一度の経験しかないとはいえ、その無職の相手と結婚した私はそれを言う権利はあるだろう。
先にも書いたが、28歳と言うのはおおよその目安として書いていると思うが、自分を振り返ると、確かにちょうどその辺りに仕事に対する思いの変化があったような気もする。
と、社会人の経験がないと、
- 「あぁ、確かにそうかも」
- 「いやいや、まだ28歳は社会人としてひよっこだよ」
ということすら、「実体験としてイメージできない」のだ。
記事「結婚と投資は同じ? ジム・ロジャーズ「28歳まで結婚をすべきではない」」(9配信 AERA dot.)
以下、全文
「「世界3大投資家」の一人とされるジム・ロジャーズ氏の本誌連載「世界3大投資家 ジム・ロジャーズがズバリ予言 2020年、お金と世界はこう動く」。今回は、結婚について。
結婚はいいものだ。だが、結婚についてはちゃんと学ばなければ失敗する。これは、これから結婚を考えている人だけではなく、すでに結婚している人も同じだ。 米国では、結婚した人の半分程度が離婚している。特に、近年では熟年層(45歳以上)の離婚が増えている。離婚が増えているのは、日本や中国でも同じだ。 結婚は急いではならない。若い人たちは、結婚を急ぐ前に、もう少しだけ自分自身と世界について学んでほしい。すでに結婚をしている人も、物事についてもっと学ばなければ、いつか痛い目にあうことを忘れてはならない。 こんなことを言うのは、私が米国で12年間の教育を受けたからだ。だから米国の教育についてよく知っている。 世界の人たちは、米国の大学に憧れを持っている。だが、ハーバード、エール、プリンストンなど米国のエリート学生が集まるアイビー・リーグだけが、米国の大学ではない。米国には数千にのぼる大学がある。 彼らはPR(広報活動)が上手だ。そして最近の調査が示しているのは、最近の米国の大学の卒業生の多くは、新聞の社説を読むことはなく、そもそも、それが何を言おうとしているのかを理解することもできない。それどころか、クレジットカード会社から届く説明文も理解できないという。 これは私の見解ではない。ちゃんとした研究結果として出ている。これが現在の米国の大学の実情である。 私が大学に通っていた60年ほど前は、こんなことはなかった。だから私は、娘たちをシンガポールの学校に通わせた。アジアの教育の質が高いことを知っていたからだ。シンガポールの教育は、米国よりはるかに厳しく、内容が難しい。 そして、歴史をたどれば、教育を受けた階層の人々が多いと、その国は成長していく。規律が守られ、教養の高い人が増えるからだ。
実は、米国が成長し、英国を追い抜いた理由の一つが教育だった。私はアジアの教育事情については詳しく語ることができるが、日本の成長も、すばらしい教育制度と、社会に出てからの厳しいキャリア形成のおかげだったと考えている。 中国も同じだ。中国には質の高い教育を受けた人々がいる。そして、すでに中国では、米国の10倍以上のエンジニアが生まれている。今後、この人たちが中国の技術力を底上げし、米国を追い抜く原動力になるだろう。 話を元に戻そう。アジアの教育のレベルが高いのはたしかだが、それでも、22歳の若者は世の中のことについて何も知らない。しかも、この年頃は恋に落ちやすい。だから、若い時の結婚は良いことではないのだ。 若い時は感情の制御が難しい。理由を説明できない行動もしてしまう。 投資家も同じだ。若い投資家は、自信が持てないのに、感情に流されて損をする確率の高い投資をしてしまうことがある。年を取れば、私のように慎重になる。 結婚についてのアドバイスはこれにつきる。「慎重になれ」ということだ。 だから私は、娘たちには「28歳まで結婚してはいけない」と話している。その前に結婚するようなことがあれば、「2階に閉じ込めるよ」と宣言している。
実際は私の主張とは関係のないことなのだが
改めて読み返してみると、あくまでも「28歳で結婚」というのは、「仕事をしている」ことが前提になっている。いや「仕事」とは一言も書いていないのだが、「もう少しだけ自分自身と世界について学んでほしい。すでに結婚をしている人も、物事についてもっと学ばなければ、いつか痛い目にあうことを忘れてはならない。 」と、社会に出ずに世界を、物事を、社会に出ている人以上に学ぶことは可能なのだろうか?
「社会人じゃなくてもしっかりと勉強していれば問題ない!」といった反論があることも予想するが、私の経験からすると、それは言い訳に他ならない。
日本であれば社会に出ずにアルバイトなどで食いつなぐぐ、 その他の時間はそれこそ夢のため、自分のやりたいことのため、と言ったある意味では自分を誤魔化すための言い訳をすると思うのだが、抽象的な表現だが、それで本当に人生に深みは出ると思っているのだろうか。
同じ時間を正社員とアルバイトとで過ごした場合、分かりやすく一般的に収入、経験やコミュニケーション能力などは明確に差になって出てくる。ここで、「いやいや、アルバイトでも○○の能力が飛び抜けているヤツはいる!!」という例外はこの際除外する。あくまでも”一般的に”という話だ。
アルバイトなどをする理由では、「やりたいことをやる時間が欲しいから」ということはよく聞くが、本当にそれが一番の理由なのだろうか?社会に出て、定時をしっかりと労働に費やしながら趣味を充実させる人など、それこ星の数ほどいるし、副業が本業になる人もいる。難関資格を取得する人もいれば、働いたお金でさらに知識を増やすためや仕事の幅を広げるために大学に入り直す人もいる。ようするに、ほとんどの場合、アルバイトに成り下がるのは自分への言い訳でしかないと私は思うのだが、それはそれで問題だとして、例えば「正社員とアルバイト」の違いとして、「覚悟」「業務の遂行能力」「責任」などが圧倒的に違う。正社員で趣味を充実させている人などは、まず間違いなく業務の遂行能力が高いはずだし、さらに改善に改善を重ねて、どんどん生産性を上げていくだろう。
・・と言うように、世間で言われているような、
- 仕事の多様化
- (ITなどで)1人で稼げるようになる
- 会社に縛られない生き方
と言うのは、確かに仕事というもの自体の選択肢が増えていることは間違いないが、ほとんどの場合そのように巧くはいかないし、マクロ的な見方をすれば、日本国にとって弱体化の道を辿っている、と言うこともできる。このことはまた別項で書きたいと思う。
私が出会った中で、一度も社会に出た事がない人間は相手方以外に1人もいないので判断材料に乏しくて恐縮だが、本当に考える能力、クリエイティブな思考回路など、控えめに言っても「皆無」だった。
次のコラムでは、私が社会に出て感じたことや影響を受けた人、私の考える「できる人像」などを書いてみたいと思う。