まずは私の場合
離婚問題が勃発したのが2017年9月末、私は自身の会社の顧問弁護士という形ですぐに代理人を横に置いたことは先に書いた。どのようにその弁護士法人にと担当に決め進めていったのか、その辺りのことを書いていきたい。あくまでも私個人の主観から導き出されたもので、当然偏見も内包していると思って読み進めて頂きたい。「そんな訳はない!」「私はそんな考えで弁護士をしていない!」と言った弁護士からの意見も是非頂ければと思う。
まずは会ってみなければ分からないということで、「30分相談無料」の事務所の中でもざっとサイトや口コミなどを見て話してもいいかなと思ったところにコンタクトを取ってみた。
1つ目。
一通り状況を話す。特に当たり障りもなく終了。正直、3年近くが経過した今ではどんなイメージのところだったか、ほとんど記憶にない。
2つ目。
同じく一通り自身の状況を話す。先方は反応も薄く、私もテンションに困る。私も商売をやっている身なので、「本当に客を取る気があるのか?」と思うほど覇気もなければこれと言って気の利いたことをいってくれることもない。ここにはお願いしないと退出。
3つ目。
結果的にここの事務所にお願いする訳だが、”決め手”というほど大袈裟なものでもないのだが、
- 事務所が日本国内に数カ所有り←扱ってきた案件も多くその分解決策も多いと判断
- 組織として機能している←個人事務所ではないので、事務方と現場がしっかりと区別されており、その分現場の担当は実務に時間が割けると判断
- 担当が話し易い←場合によっては家族以上に自分を曝け出すことになるのだから話し易い点は重要
これを考慮して正式に、まずは「会社の顧問弁護士」として依頼を決める。一つ一つ見てみよう。
1.事務所が日本国内に数カ所有り
これは良くも悪くもある訳だが、事務所の数が多い=人が多いということは必然的に扱ってきた案件の数も多い訳で、その分データが蓄積されているということだろう。それにひと口に裁判所言っても全国にあり、その分地域の特性のようなものもある。そう言った様々な場所で様々なケースによる案件のデータがあることは心強いと思ったからだ。逆に、一人の担当が抱える案件が多くなることで、一つ一つの対応がおざなりになる、それに付随して地域の特性や慣習のようなものも軽視される傾向にあるので注意されたし。
2.組織として機能している
事務所が大きければ必然的に分業の割合も増えるので当然と言えば当然だが、電話番や経理などと営業担当(この場合は弁護士)が分かれているため、担当は案件に集中できる環境にあると言える。ここは個人事務所とも大きく違うところだと感じる。それだけ裁判所に出向く、クライアントとの時間が割ける→スキルアップできる”可能性がある”ことは誰しもイメージできるところではないだろうか。
3.担当が話し易い
これも上記で書いた通りではあるが、それこそ収入などお金のことはもちろん、性的な部分や場合によっては感情をさらけ出したりもするので、当然ながら話し易いことも重要であろう。私が会った方は全社でもトップ5に入るような方だったようで、多少しゃら臭いところはあったものの概ね許容できる範囲で有り、頭の良さも感じられたのでそこに決めることになる。ちなみに、そこに同席していたさらに若い方に、徐々に担当が変わってしまったことは多少不満でもあった。
以上が私が弁護士事務所を決めた経緯と理由だ。正直、もう少し他のところにも会ってみようと思ったものの、やはり時間もかかるし手間でもあるので、3割ほどは諦めがあったことも告白しておきたい。
まずは心構えが重要
さて、多くの人にとって「弁護士」とはどんなイメージだろうか。
- 頭も良くて収入も多い憧れの職業
- 数少ない「先生」と呼ばれる職業の一つ
- 雲の上の存在
- 悪いこともやる何をやっているか分からないイメージ
- 日弁連のような左寄りのイメージ
などなど、総じて、
「肩書きはよく見聞きするが、アンタッチャブルなイメージ」
ではないだろうか。
私は仕事でも、自身の事業を企画していた段階やその他の業務などで、全く多くはないが弁護士という人種と対峙することはままあった。だからという訳ではないのだが、特にアレルギーがあった訳でもなく、どちらかと言うと「自分が頭が良いことを鼻にかけている気に入らない」という印象を持っていた。まぁそれは多くの場合当たっていると思うのだが、私の周りでも離婚その他の理由で弁護士に相談に行った人間が少なからずいるが、そのほとんどが、
「すごく上から目線でむかついた」
という感想を持ち帰ってきたものだ。ここでこの小タイトルの「心構え」というところに戻る訳だが、やはり多くの人にとって弁護士とは生涯にわたり関わることはほとんどなく、やはり上記のような共通イメージを持っているために最初に対峙しようとすると身構えて、もっと言うと「勝手に”上の位の人”だと思い込んで下手に出てしまう」ために、弁護士にも勘違いさせてしまった、と言うのが私が考える現在の状況だ。
私はその事務所に決めた時に担当に、
「私は先生と呼ぶことが好きではない。弁護士と言えども同じ人間なので、崇めることもなければ媚び諂うこともない。ただの”職域”、仕事の担当が違うだけだと思っているのでそちらもそのつもりでいて欲しい」
と言うようなことを伝えた。別に格好つけている訳ではなく、冷静になると極当たり前のことだと多くの人は気づくと思うのだが、弁護士だってただの人間だ。これも社会に出たことのある人の多くが感じたことがあるだろうが、出身大学が優れているからと言って仕事ができるとは限らない。私自身も多くの場所をそれを目の当たりにしてきた。弁護士もそれと同様。勉強が得意な人が多いのは事実だろうが、それとこれとは別問題。こちらが依頼する立場な訳だから、どんと構えて対峙すればよろしい。
これもよくよく考えれば分かることだが、民事事件では代理人と呼ばれるこの”弁護士”、これはただの資格の総称で、「森羅万象において全知全能」なはずもなく、得意分野もあれば苦手な分野もある。逆に言うと、上記のようなイメージ、まさしく「弁護士は全知全能だから何でも解決してくれる」と思っているとカモにされるし、実際のところ、そういう人たちが主な弁護士の客だ。相手方などはまさしくこのタイプだろう。要するに弁護士とは、
「法律の使い方のプロ」
という認識で大きな違いはあるまい。「恋愛関係のトラブルの法律を使った解決方法」には詳しいかもしれないが「男女の色恋沙汰」は苦手と言う人も当然いるし、「民事再生法」は知っていても「会社の経営」は未経験という弁護士がほとんどだろう。
と言うことで、特にへりくだることも初対面の人間に対して「先生」などと呼ぶ必要もなく、ありのままの態度でできるだけ多くの弁護士と話をしてみて欲しい。きっと理想の弁護士が見つかるだろう。もちろん、誰と話す時にでも重要なことだが、しっかりとした話し方と語彙力、交渉力があればより良いと言うことは言うまでもない。
皆さまの検討を祈る。