【コラム】弁護士の選び方②

 

弁護士を選ぶ上で大切なこと


【コラム】私の考える弁護士とその選び方

こちらのコラムでは、私が実際に弁護士を選んだ流れや内容などを書いた。ではそれが正解かと言われるとそんなはずもなく、そもそも如何なる場合も同じだと思うのだが、「大きな買い物をするとき」「新しい分野で助けを求めようとするとき」などといったタイミングの際、そこにはそれをする”目的”がある訳で、それはまさに千差万別、言ってしまえば、

「お好きに選べばいいじゃないですか」

と、これで終わってしまう話なのだがそれでは面白く無いので、「次に選ぶとすれば」と言う角度から書いていこうと思う。

先の投稿の、

  1. 事務所が日本国内に数カ所有り
  2. 組織として機能している
  3. 担当が話し易い

これが私が現在の担当弁護士に決めた理由ではあるのだが、まず1の「日本国内云々」これは、

「規模もそれなりだから安心がある」

と、まさに車を購入する際のT社の選び方の如く、イメージもしくはブランドで選んで無いと言うと嘘になる。これについても何でも一緒と言ってしまえばそれまでだが、大きいからそれだけ人も多い訳で、ピンからキリまでいることだろう。こちらが指定する事もできるだろうが、それを選ぶ判断ですらも一般人からすると基準も当然なく、結果、ネットでの記事やプロフィール、そして出会った印象などで判断せざるを得ない。となると当然「ピン」に当たる事もあれば、運悪く「キリ」が担当に付くことにもなる。私のケースの場合でも、最初に担当した方の印象がベストではないがベターであったために決めたにも関わらず、途中からあれよあれよと毎回同席していた別の弁護士に変わってしまった。今のその弁護士が悪いと言う訳ではなく、そう言う事も往々にしてあるはずなので、そこはデメリットとして理解した上で、規模の大きな弁護士事務所を決めることを勧めたい。

要するに、そういったパーソナルな関係を望むのであれば、もしかすると個人事務所など小規模の所の方が良かったかも知れないと今になって思う。弁護士事務所を選ぶ際の参考にして頂きたい。

続いて「2」と「3」


続いて2の、「組織として機能云々」について。これも人が多ければそれだけ分業化が進み、担当になる弁護士も実務に集中できると言うメリットは当然あるとは思う。ただこれも、事務的な部分、例えば書類や裁判所からの連絡事項などのやりとりなどを担当弁護士を介さずに担当事務とする訳なので、弁護士と事務とのしっかりとした連携が取れているかどうかが重要なのは言うまでもなく、文字通り「事務的な」印象も色々な場面で持ってしまってもいた。行き違いのようなケースもやはりあったし、弁護士から事務へ、「面倒だから仕事を振っている」という印象の拭えなかった。

3については言うまでもなくフィーリングのようなことだ。先のコラムでも書いたが、家族以上に自分を曝け出す事もあるはずなので非常に重要ではあるし、何よりも自分が良いと思った「組織」ではなく「人」にお任せしたいと思うのが普通だろう。1から3全てにおいて言える事だが、結局のところ、可能な限り多くの人に会って話をしてみて欲しい。行政がやっている無料相談もあるが、私も何かの際に利用したが、どうしても最初の想定していたイメージのの通り、「ボランティア感」が抜けなかったので、個人的にはおすすめしない。どこの弁護士事務所も最初の30分相談無料を行っているはずなので、気軽に利用してみて欲しい。

 

言いたいところはそこではない


今回、私が弁護士を選んだ理由とそのメリット・デメリットを書いたが、言いたいところはそこではない。結論から言ってしまうと、

「個人事務所の方が良かったのでは無いか」

と言う事。

たまたま最近、公私に渡ってそのようなケースを目の当たりにしたのだが、結局のところ、事務所”所属”の弁護士は、往々にしてサラリーマンな訳だ。別に世の中のサラリーマンを蔑んでいる訳では決してない。特にこういった極めてパーソナルな仕事(この場合は離婚相談)の場合、ビジネスライクな関係よりも、言ってしまえばフランクな関係になることが必要な場合もあるはず。会社に所属して働いている方は分かると思うが、会社のメンツや売上・評価よりも、個人の売上や結果が欲しくはないだろうか。インセンティブが出るような会社は特にそうかも知れない。未だに残業代が出ない会社も多いと聞くからその場合は特に終業時間になれば直ちに帰りたいだろう。

ちなみに私は会社員時代、1社以外は自分が働く会社の評価など微塵も考えてはいなかった。

と言うことを弁護士に置き換えると、当然、無駄なこと=クライアントと業務以外で関わること、実体験を踏まえて言うと、

「裁判に勝つ」と言う目的以外のこと

 

は当然、「やりたくはない」はずだ。その”やりたくない”というところには、大変残念なことだが、

「本当に子どものためを思った行動」

 

も含まれる。どう言うことかと言うと、自分が裁判で勝つことが何よりもプライオリティが高く、それ以外のことについてはどうしてもおざなりになってしまう訳だ。サラリーマンとして考えてみれば当たり前の話だが、誰だって面倒なことはしたくない。パーソナルな関係になればなるほどそれに費やす時間は増えると言うことはプライベートな時間が減る。自分の時間と精神を削ってまで案件を担当するサラリーマン弁護士など、多かろうはずがない。

 

【弁護士法】 

第一章

「弁護士の使命及び職務 (弁護士の使命)

第一条

弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。

2 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律 制度の改善に努力しなければならない。」

無論、弁護士も裁判所の考え方や法律などに矛盾を抱えながら生きている。ただ、弁護士法の「第一章 第一条」トップに書かれているこの「使命」とやらはどこに行ったと言いたくなるぐらい、世の中の理不尽に立ち向かったり、本当に意味でクラインアントの立場に立った戦い方をするといった事とは逆を行っていると言わざるを得ない。先の投稿にも書いた通り、あくまでも弁護士は「法律の使い方を知っているプロ」だ。少なくとも、

  • 離婚問題を解決する
  • 親権を取るために身を挺して案件を担当する

訳ではなく、いかに「裁判に勝つか=報酬を得る=実績を手にする」ことが重要なのだ。

疑問に思う「離婚問題解決」を謳う弁護士事務所などの広告


そこで思う訳だ。「離婚 相談」「離婚 弁護士」などで検索をして頂くと分かるが、弁護士事務所を筆頭にそれこそ膨大の数の窓口が出てくる。果たして、本当にそうれは「相談」なのですか、と。ただ、「報酬」「名声」を得るためだけに、

「私が全て解決しますよ」

とばかりに誇大広告とでも解釈できるくらい、嘘を言っているのではないかと。

別に報酬を得ることを否定している訳ではない。少なくとも、弁護士法のトップに掲げられているその「使命」を、全ての携わる案件で意識してもらえたら、と思うのだ。

これは本当に声を大にして言いたい事だが、本当に親身になってくれる弁護士は、ほとんどいないと言っても言い過ぎではない。今回の投稿でも書いた内容以外にも、先の「私の考える弁護士とその選び方」にも書いた通り、やはりどこか「平民より立場が上」だと勘違いしている人間も多い。その立場から物を考える人間が、普通に考えて”平民”の気持ちに寄り添って問題解決を助けてくれるだろうか。甚だ疑問だ。

だってそうだろう。「離婚問題解決しますよ」と言っておいて、実際に自身で離婚を経験している弁護士がどれほどいるのか。法律を使って離婚問題を解決することと、子どもにより良い環境で離婚をさせる事は、全くもって別問題なのだから。

「あなたは、家を建てた事もないハウスメーカーの営業から、本当に家を買いたいと思いますか?」

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