【コラム】私の考える仕事観⑤



仕事における人間形成の完成


さて、前回、

【コラム】私の考える仕事観④

こちらからの続き。こちらの投稿では、

  1. 共同体意識の醸成
  2. 人間形成
  3. ボキャブラリー
  4. 俯瞰力
  5. 物理力
  6. 要領
  7. プレゼン力

おおよそ上記のものが、私が考える仕事によって得られるもしくは成長させられるものだと紹介した。ここではこの「2.人間形成」について。

これも過去の投稿でも触れたのが、幼少の頃からの環境や育て方で大きく変わってくることはわかっている。ただほとんどの場合、子育ては初めてのため試行錯誤の連続で、言ってしまえば正解などない。ただ間違いなく子育てとは、

「子どもを将来食いっ逸れないようにするため」

 

と言う目的は、口に出さずとも誰しも少なからず思っていることだろう。昔から「子どもを立派に」と言われてきたのも、まさに平たく言ってしまえば、

「欲を言えば立派な職業に就いてほしいけど、最低限食べられるようになってほしい」

という意味なのだろうと思う。当たり前だ。早い人だと15歳ごろから、遅くとも一般的には22、23歳で誰しも社会に放り出される。そこから定年があるとすると、40〜50年は仕事をしていかなければならないのだ。それまでの20年前後は、そのための準備期間として捉えてもいいかも知れない。

という目的とひとまずは仮定するとして、ではその終着点たる「仕事」に就くという目的は成就したとする。さてそこからが大変だ。変に持ってしまった自信・高くなった鼻を折られる人もいるだろう。これまでの常識が全く通用しないかも知れない。苦手な人とも相対しなければならないだろうし、中には嫌いな仕事を押し付けられるかも知れない。

そうした経験を経て、人によっては上を目指すために考えるようになる。仕事に対する真摯な態度により性格も変わってしまうかも知れない。プライベートと仕事の境がなくなったけどそれを楽しめる人もいると思う。はたまた、人には辛い仕事でも心地よく肩の力を抜いてこなせる仕事に出会える人もいるだろう。

こうして考えて考えて自己が形成されていく。世の中に対する考え方も芽生えてくるだろう。

これが、幼少期から続く人間形成の「最終形態」だと私は思っている。

逆に考えると、そうした「仕事をした」という経験を経ていない人間は、私の知る限り相当に未熟だ。相手方についてはもちろんだが、そうではない仕事で合う人たちもそうだし、やはり気になって他の組織の方にもそのような話を聞くと、まず例外無く問題があるように感じる。その未熟な部分はどんなものかと具体的にあげると、

  • 人生に対する考えの浅さ
  • コミュニケーション能力
  • 配慮
  • 謙虚さ
  • 言葉遣い

といったものがすぐに浮かんでくる。

何度も言う通り、「仕事をしていない(定職についていない)からと言って人間形成ができないとは言えないのではないか」といった反論もあるとは思うが、改めて考えても見て欲しい。ほとんどの人の周りには、いわゆる会社勤めをしている人が多数を締めていることだろう。その中に、「一度も定職についたこともない40代」がいることを想像して欲しい。仕事によってはアルバイトの学生と対峙をする人もいるだろうから、そうした未熟な人間が40代になっていることを想像してみて欲しい。

特にこう言った離婚の場合のように、「1人の自立した人間を判断する」際に、「職歴ナシを子育てをしているからと自立した大人として見る」には相当に無理があると言わざるを得ないだろう。

冷静になれば誰しもわかるはずだ。

「職歴ナシ、現無職、40代」

これだけの字面を見て、これが例えば独身男だとどう言う印象だろうか?逆に女だと?

この印象から、ただ、

「子どもを産んで育てたことがある」

という”だけ”で一人前の独り立ちした大人だと思うだろうか?はっきり言って、子どもを産んでさえいなければ、

ただのニート

 

だろう。



これも繰り返しになるが、子育てを軽く考えているだとか楽な物なのだと言っているわけでは決してない。子育ての唯一ではなくともその目的が「食いっぱぐれないようにするため」であれば、その食いっぱぐれるないために生きてきた経験が必要不可欠で、その経験もない、人間形成もできていないような人間が子育てをすることなど理論的に考えて無理がある、と言っているだけだ。

ただ、子育ての目標が「ただただ自分の言いなりになって可愛いから」のようなことだとしたらその限りではないが、ではどちらの親に育てられた方が子どもが自立した大人になる可能性が高いだろうか?

 

自立するとは結局のところ、日本を世界を背負っていくと言うことだ。そのように俯瞰する能力も先を見通す力も何も備わっていないということではないだろう。

 

その俯瞰力、想像力については次項以降に書いていこうと思う。

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